知らない町

先日、静岡県の伊豆市へ行ってきました。
伊豆といえば海というイメージをもっていましたが、わたしが行ったのは山です。修善寺です。正確には修善寺からバスで30分ほど天城山の方へ行った貴僧坊です。
バスは日に数本で、行きも帰りも時間のコントロールが自分の意思では難しいエリアでした。人口も100人を切っているそうです。
そんな貴僧坊で現代美術の展示会が行われていました。
町のなかに五ヶ所の会場を用意し、それぞれアーティストが展示を行っています。町の中を歩いて会場を回れるのですが、どこを歩いていても水の音がついてきます。天城山系の湧き水がいたる所から溢れ水路が町中にあるのです。これが本当に癒されます。(本心)
天城山はわさびが有名で、この湧き水を使ってわさび田が町中に作られています。筏場の広大なわさび田は有名ですが、下流の大見川沿いを歩いていてもヒト気のない山中のせせらぎと共に突如(筏場に比べれば)小さなわさび田が現れたりして神秘的です。

カワゴ平の大噴火というのが3200年前にあったそうで、この地域が大きな水を抱えているのもその地質によるもののようです。(しらんけど)
今回の展示へ行かなければ、おそらくこの地域のことは知らないまま一生を過ごしたことでしょう。人から聞いても「よし、いっちょわさび田でも見にいくか」とはならなかったと思います。こんなことは日本中のあらゆる町にあって、行って知れば面白く感じることでもなにかきっかけを与えられなければ人はなかなか動きません。「わさびは美味しいし温泉あるし静かだし、良い所だよ」と言われてもあまり心には入ってきません。
地方移住推進の難しさはその辺にあるのかなと思います。
自分から取りに行った情報と、人から与えられた情報では収まる棚が違う。本棚に並べるのか古紙回収に出すのかくらい違う。
身近な人の熱量のある体験を聴かされてやっと少しだけ興味が出てくるようなもので、WEBや雑誌のテキストなんていうのは自分から情報を取りに来る人には有用でも、そうじゃない人にはすぐに捨てられる情報なのかな、と。本当に人を増やそうと思ったら、自分から情報を取りに来る心境にさせるまでになにが必要かを考えないといけなんじゃないかと思いました。
わたしが今回貴僧坊に行ったのは美術の展示会があったからで、求めていたのはわさびでも温泉でも静けさでも癒しでもありません。しかし自身の現地での体験はこの寒村地域の印象をぐっと向上させました。そこら中で売っているわさびを一本買って宿で擦ってご飯に鰹節とともに乗せ醤油をかけて食べるだけでも大満足です。海側からきた魚を食べ温泉にも入りなんと充実した週末でしょう。
わたしはこの体験をもっと知られても良いはずだと周囲に喋りまくり、このブログに書いています。ただの提灯記事ではないわけです。熱量が伝わったら幸いです。

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